前回の記事では、翻訳家を目指すのであれば「翻訳会社で働こう」と提案しました。
しかし、いざ翻訳会社の求人を見てみると、見慣れない用語が並んでいる…。
翻訳コーディネーターって何?レビュワー?一体どんな仕事内容?
そこで今回は、翻訳会社での代表的なポジションや具体的な業務内容を紹介しよう!
【はじめに】
まずは全体像から!
【翻訳コーディネーターとは?】
「翻訳(業務)」を「コーディネート」するポジション。
具体的に言うと「翻訳が必要なクライアント」と「翻訳作業者」の間に立ち、翻訳案件の進行管理を担当するポジションだ(上図参照)。クライアントとの折衝や、翻訳作業者との連絡・作業指示、納期設定などを行う。
ポイント
・英語力がそこまで高くなくてもOK(実際に翻訳をするポジションではない)
・英文メールでコミュニケーションができるくらいの英語力は必要
・翻訳の実務経験がない人でも採用されやすいポジション
・実質的な翻訳業務はほとんど発生しないので、翻訳スキルはあまり磨けない
・将来的に翻訳者を目指すのであれば、翻訳チェッカーなどを兼務できるポジションを狙いたい
【翻訳チェッカーとは?】
その名の通り「翻訳」を「チェック」する人。会社によってはレビュワーとも呼ぶ。
翻訳者から届いた「訳文」を「原文」と比較し、各種チェックを行うポジションだ。
翻訳の良し悪しを左右する最後の砦でもある。
ポイント
・誤訳・訳漏れ・誤字脱字・不自然な日本語の修正などを行う
・チェッカーだからこそ、高い英語力(原文読解力)が求められる
・長時間持続する集中力も必要
・英語力には自信があるが、翻訳の実務未経験という人におすすめ
・生の翻訳原稿に触れられるし、業務を通して翻訳スキルも磨ける
【翻訳者とは?】
翻訳を実際に行う人。これはあまり説明はいらないよね。
翻訳会社の多くが翻訳を外注しているけど、社内に翻訳者を常駐させている所もあるよ。
ポイント
・翻訳業務の花形
・英語力だけでなく「翻訳力」が求められる
・社内翻訳者の場合、会社によってはノルマが課される場合もある(一時間に最低○○ワード翻訳しなければならないなど)
・社内翻訳者のポジションは、翻訳チェッカーやコーディネーターと比べて間口が狭い
【翻訳コーディネーターに関する注意点】
翻訳コーディネーターは翻訳を行うポジションではない。
「翻訳」という単語があるからといって、騙されてはいけない。
事務的な仕事がメインとなるポジションだが、実際は他の業務(ちょっとした翻訳や翻訳チェック)を兼務することがほとんどだと思う。
ただし、「大きな翻訳会社」や「大企業の翻訳担当部署」の翻訳コーディネーター職に応募する際は注意したい。
大きな組織では各ポジションの線引きがはっきりしていることが多い。
つまり、一度「翻訳コーディネーター」として入社したら、「翻訳コーディネーターの業務以外はほとんど何一つできない」ということもある。
「翻訳コーディネーターが大好き!」という人であれば問題ない。
しかし、翻訳者を目指している人にはあまりおすすめできない。
上述の通り翻訳コーディネーターはあまり翻訳スキルを学べるポジションではないからだ。
面接時に「翻訳チェック」や「翻訳」に携わる機会があるかどうかを確認しておこう。
【おわりに】
以上が翻訳会社のポジションや業務内容の説明でした。
細かい点は会社によって違うかもしれないけど、大体の翻訳会社に当てはまる内容だと思う。
翻訳の実務経験がない人は、「翻訳コーディネーター」や「翻訳チェッカー」から翻訳のキャリアをスタートするのがおすすめ。仕事に慣れてきたら、他の翻訳業務にも積極的に手を広げてスキルを磨き、翻訳者のポジションを目指していこう。
0 コメント